売却ガイド

時計は売るか質預かりにするか?買取額・質料・返済期限で判断

時計を完全に手放す「買取」と、担保にして融資を受ける「質預かり」を徹底比較。大黒屋など大手質屋の月利・手数料・質流れの仕組み、受取額の違い、返済計画に基づく最適な選び方を解説します。

「急ぎでまとまった資金が必要だが、愛着のある高級時計を手放したくない……」そんな時に迷うのが、時計を売却する「買取」と、時計を担保にお金を借りる「質預かり(質入れ)」の選択です。買取は時計の所有権を手放す代わりに満額の現金を手にできる一方、質預かりは期限内に元金と利息(質料)を支払えば時計を取り戻せます。しかし質屋の利息は月利1.25%〜8%(年利換算15%〜96%)と消費者金融並みかそれ以上に高く、返済計画なしに利用すると最終的に時計を失う「質流れ」に陥ります。この記事では、買取と質預かりの根本的な仕組みの違い、大手5社の利率比較、後悔しない選択基準を分かりやすく解説します。

この記事の目次
  1. 買取と質預かりの決定的な違いとメリット・デメリット
  2. 大手質屋5社の金利(質料)とシミュレーション比較
  3. 手取り額の比較:同じ時計でどれくらい金額差が出るか
  4. 後悔しないための最終判断ステップ
  5. 家庭で確認する手順
  6. よくある質問

買取と質預かりの決定的な違いとメリット・デメリット

買取と質預かりの最大の違いは、「時計の所有権が自分に残るかどうか」です。

買取を選択した場合、その場で時計を売却して代金を受け取ります。所有権は完全に買取店へ移転するため、後から「やっぱり買い戻したい」と思っても取り戻すことは原則できません。その代わり、返済の義務や利息の支払いは一切発生せず、その時点での最高額の現金を手にできます。

一方の質預かりは、時計を質屋の金庫に預け、その査定価値の範囲内で融資(借入)を受けるシステムです。所定の期限(通常3ヶ月〜4ヶ月)内に元金と質料(利息+保管料)を全額返済すれば、時計は無傷で手元に戻ってきます。万が一返済できなくなった場合でも、時計の所有権が質屋に移る「質流れ」となるだけで、督促や取り立て、信用情報機関(ブラックリスト)への登録は一切ありません。

比較項目時計買取(売却)質預かり(質入れ融資)
取引の性質売買契約(所有権を手放す)担保融資(所有権を留保)
時計の受け戻し原則不可(取引完了)元金+質料の返済で100%戻る
受取金額の目安相場の満額(100%)買取額の約70%〜90%前後(相場変動マージン)
利息・手数料(質料)完全無料(0円)月利1.25%〜8%(借入額による)
返済期限なし(返済不要)原則3ヶ月(質料支払いで延長可)
返済不能時の扱い関係なし「質流れ」となり時計を失うが督促・借金は残らない

大手質屋5社の金利(質料)とシミュレーション比較

質預かりを利用する上で絶対に把握しておかなければならないのが「質料(金利+保管料)」の高さです。質屋営業法に基づく金利上限は月利9%(年利108%)まで認められており、一般的な銀行カードローン(年利14%前後)と比べると桁違いに高い金利設定となっています。

大手質屋各社の公開情報を見ると、借入金額が大きくなるほど月利が下がるスライド制が採用されています。大黒屋では100万円以上の高額融資で月1.25%、10万〜100万円未満で月1.5%、中堅質店では月3%〜5%程度が相場です。

たとえば、10万円を3ヶ月間借りた場合、質料だけで4,500円〜15,000円前後の支払いが発生します。期限を延長するたびに毎月この質料が加算されていくため、長期間預け続けると「利息だけで時計の価値の大半を支払ってしまう」という本末転倒な事態に陥ります。

質店名公開月利(利率)10万円借入時の3ヶ月質料目安特徴・延長条件
大黒屋 質屋1.25%(100万〜) / 1.5%(10万〜100万)約4,500円大手ならではの低金利設定。原則3ヶ月期限
大進洋行貸付額別に月4%〜8%約15,000円(5%の場合)基本期限4ヶ月。買取と質預かり同額査定方針あり
カドノ質店貸付額別に月1%〜5%約9,000円(3%の場合)短期利用時の半月・日割り計算制度あり
麻布十番タマリヤ質店月1%〜3%約9,000円(3%の場合)店頭対応のみ。100万円超は月1.5%
東屋質店月3%〜8%約9,000円〜24,000円3ヶ月期限。地域密着型

手取り額の比較:同じ時計でどれくらい金額差が出るか

質屋は、万が一質流れになった際に市場で時計を売却して資金を回収します。そのため、3ヶ月から4ヶ月の保管期間中に起こり得る「相場下落リスク」をあらかじめ差し引いて融資額を決定します。

大黒屋の公開比較データ等を見ると、たとえば買取相場が200万円のデイトナであれば、質預かりでの融資上限額は160万〜180万円程度(買取額の80%〜90%程度)に設定されるのが一般的です。

同じ店舗で買取と質預かりの両方を扱っている質屋(大黒屋、大進洋行など)であれば、カウンターで「買取の場合の査定額」と「質預かりの場合の融資額」を同時に提示してもらうことができます。両方の数字を聞き、手に入る金額の差と質料の負担を天秤にかけて判断しましょう。

  • いつまでにいくらの資金が必要かを明確にする
  • 借入金を確実に返済できる「収入源と日付」が確定しているか自問する
  • 同一の店舗で「買取査定額」と「質預かり融資額」を両方見積もってもらう
  • 元金と返済日までの質料の合計額を計算し、返済の負担に耐えられるか確認する

後悔しないための最終判断ステップ

愛着のある時計を売るか預けるかで迷ったときは、まず「その時計を今後も身につけて生活したいか」を心に問いかけてみてください。

もし「最近は全く使っておらず、タンスの肥やしになっている」のであれば、高い利息を払ってまで質預かりにする合理的な理由はありません。相場が高騰している今のうちに買取で手放し、まとまった資金を有効活用するのが最も賢明です。

逆に、「親から譲り受けた形見」「記念に買った思い入れのある品」であり、数ヶ月以内に確実に入金があるなら、迷わず質預かりを選びましょう。質屋は正しく計画的に使えば、大切な資産を失わずに一時的な資金繰りを乗り切るための非常に頼もしい味方となります。

家庭で確認する手順

  1. STEP 01

    時計の保証書・箱・余りコマを揃えて店頭へ持参する

  2. STEP 02

    質屋の窓口で「買取」と「質預かり」の両方の見積もりを同時に依頼する

  3. STEP 03

    月々の質料(利息)と返済期限、質流れの条件を詳しく確認する

  4. STEP 04

    返済計画が確実に立っていれば質預かり、返済が難しければ買取を選択する

よくある質問

質預かりは時計を売るより受取額が低くなりますか?

はい、通常は買取額よりも10%〜20%ほど低くなります。質屋側が3ヶ月〜4ヶ月の保管期間中の相場下落リスクを考慮するためです。ただし一部の質店では買取と同額融資を行うケースもあります。

期限までに返済できない場合、取り立てや家族への連絡はありますか?

一切ありません。質屋の融資は品物を担保にしているため、返済できなければ時計の所有権が質屋に移る(質流れ)だけで取引が完了します。督促の電話や手紙が届くこともなく、信用情報に傷がつくこともありません。

査定額が100万円の場合、50万円だけ借りることはできますか?

可能です。提示された融資上限額の範囲内であれば、必要な金額だけを借りることができます。借入額を少なくすれば、そのぶん毎月支払う質料(利息)を安く抑えることができます。

参考資料・出典

この記事を書いた人

買取ウォッチ編集部

時計を売る前に知っておきたい、公開価格・査定条件・業者選びを整理しています。

買取業者の公式情報を優先し、調査日・参照URL・比較条件を記録します。

公開価格と実査定額を混同せず、状態や付属品による違いを分かりやすく伝えます。

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